アドラー心理学は、オーストリアの精神科医である アルフレッド・アドラー が提唱した心理学です。
近年では、嫌われる勇気 によって日本でも広く知られるようになりました。

アドラー心理学は「個人心理学(Individual Psychology)」とも呼ばれ、人間を部分ではなく全体として捉え、「人は変われる」「人生は自分で選択できる」という前向きな考え方が特徴です。
アドラー心理学の5つの基本理論
1. 目的論
アドラー心理学で最も有名な考え方です。
一般的な心理学では、
- 過去の出来事
- トラウマ
- 家庭環境
などが現在の行動を決めると考えます。
これを「原因論」と言います。
しかしアドラーは、
「人は過去によって決まるのではなく、目的によって行動する」
と考えました。
例えば、
「人前で話せない」
という人がいた場合、
原因論なら
- 昔笑われた
- 失敗した
から話せないと考えます。
一方アドラーは、
「人前で話して失敗したくない」
「批判されたくない」
という目的があり、そのために話せない状態を作り出していると考えます。
もちろん過去の経験は影響しますが、それだけで人生は決まらないという考え方です。
2. 全体論
人間を心と体に分けて考えません。
例えば、
- 感情
- 思考
- 身体
- 行動
は全てつながっていると考えます。
怒っている時に肩に力が入るように、心と体は一体です。
そのためアドラー心理学では、
「考え方を変える」
「行動を変える」
どちらからでも変化できると考えます。
3. 対人関係論
アドラーは、
「すべての悩みは対人関係の悩みである」
と言いました。
仕事の悩みも、
- 上司
- 同僚
- 顧客
との関係です。
お金の悩みも、
- 社会
- 他人との比較
が関係しています。
孤独感も対人関係です。
つまり人間の苦しみの多くは人との関係から生まれると考えました。
これは、普段から人間関係や心理学に関心を持たれているあなたにも共感しやすい部分かもしれません。
4. 認知論
人は現実そのものではなく、
「自分がどう解釈したか」
によって生きています。
例えば同じ出来事でも、
- チャンスと見る人
- 失敗と見る人
がいます。
つまり人生は事実だけでなく、意味づけによって大きく変わります。
これはNLPでいう「地図は領土ではない」という考え方にも通じる部分があります。
5. 主体性
アドラーは、
「人生の主人公は自分」
と考えます。
親や社会のせいだけにしている限り、人生は変わりません。
もちろん環境の影響はあります。
しかし、
「今後どうするか」
を決める責任は自分にあります。
アドラー心理学の重要概念
劣等感
アドラー心理学では劣等感そのものは悪いものではありません。
例えば、
- もっと勉強したい
- 成長したい
- 上達したい
と思うのは劣等感があるからです。
問題なのは、
「どうせ自分なんて無理だ」
となる劣等コンプレックスです。
健全な劣等感は成長の原動力になります。
優越性の追求
アドラーは、
人間には向上したいという欲求がある
と考えました。
昨日の自分より少し成長することです。
他人との競争ではありません。
自分自身との比較です。
ライフスタイル
ここでいうライフスタイルとは生活習慣ではありません。
幼少期から形成された、
- 人生観
- 世界観
- 自己イメージ
のことです。
例えば、
- 人は信用できる
- 自分は価値がない
- 頑張れば何とかなる
などの信念体系です。
アドラーはこれらも変えられると考えました。
課題の分離
アドラー心理学の代表的な考え方です。
例えば、
「自分が一生懸命説明する」
のは自分の課題。
しかし、
「相手が理解するか」
は相手の課題です。
親子関係なら、
- 勉強するか
- 就職するか
は子どもの課題。
親が支配してはいけません。
同時に子どもも親の人生を支配できません。
共同体感覚
アドラー心理学の最終目標とも言われます。
共同体感覚とは、
「自分は社会の一員であり、誰かの役に立っている」
という感覚です。
要素は主に3つです。
- 自己受容
- 他者信頼
- 他者貢献
です。
自分が学んでいるNLPとの共通点
あなたはNLPコーチングを学ばれていますが、アドラー心理学と共通する部分も多くあります。
例えば、
| アドラー心理学 | NLP |
|---|---|
| 目的論 | アウトカム志向 |
| 認知論 | 地図は領土ではない |
| 主体性 | 自己責任 |
| ライフスタイル | ビリーフ |
| 勇気づけ | リフレーミング |
特にアドラーの「勇気づけ」は、相手の可能性を信じて支援するという点で、コーチングとの相性が非常に良い考え方です。
自分の活動との関係
私は人間心理やコーチング、人間関係について発信されていますが、アドラー心理学の中でも特に
- 劣等感との付き合い方
- 課題の分離
- 勇気づけ
- 共同体感覚
- 親子関係
は、ブログや電子書籍のテーマとしても非常に活用しやすい内容だと思います。
また、私がこれまで考えてこられた「長男に課せられた重荷」や「家族システムによる生きづらさ」を分析する際にも、アドラーの家族布置(出生順位)やライフスタイル理論は参考になる部分が多いでしょう。
アドラーは特に長男・次男・末子・一人っ子の特徴についても研究を行っています。